Plants diary

草臥れるまで園芸

Agave potatorum 'huraizin'

葉が団扇のような形になるタイプの雷神。黒いトップスピンとマリンブルーの葉色が美しい。


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最大サイズもポタトラムの仲間のため、12号以内の鉢サイズで収めることが出来る。葉枚数が増えるほど完成度が高まる一方で、全体のサイズが大きくなるのは比較的遅い。

 


トレードウィンズやラムランナーなどベースがこの風雷神である品種は多く、アガベを始めたての方、多肉植物の中のさわりでアガベを育てたい方にはオススメしたい品種である。

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ラムランナー
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ポタトラム スポーン


子株はランナーでよく増え、耐寒性もある。増やしてよし、育ててよし、園芸を存分に楽しめる素晴らしい品種だ。

 


チタノタにどうしても目が向きがちだが、色々な品種を育てた方は結局、ポタトラムやイシスに落ち着くとか落ち着かないとか。私のお気に入りの品種の一つである。

Mangave ‘praying hands’

祈る手🫸🫷の名の通り葉がまっすぐに立つのが特徴的なマンガベ。

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生長は比較的緩やかである。水やりは多めの方が育ちは良いと思われる。多少葉が開くことはあるが、割れるように大きく開くことはない。

 

サイズは最大で50cmくらい。鉢での管理でもポテンシャルを引き出せる品種である。濃い緑を引き出したい場合は、強光と水やり頻度を少なくして、ストレスがかかるように管理すると良い。

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子株はランナーで増えることはほぼない。生長点が深い位置にあり、卵形の形状から縦割りが向いている。

 


ホームセンターでの取り扱いが増えてきて普及が期待される。一方で、成長の遅さと店舗での取り扱いで徒長や色抜けが起こりやすいため、店舗内で十分な管理を行うことが求められる。

 

Agave potatorum 'Trade winds'

雷神の覆輪タイプ。通常の雷神と大きな特性の違いはないため、非常に育てやすく生長も早い。

しっかりと光を当てることによって斑が冴えるため、春から秋にかけては日当たりの良い場所で管理したい。葉枚数(ようまいすう)が揃ったときの完成度が高く、ポットパフォーマンスに長けている。

 

霜害(そうがい)を避ければ外で越冬することもできるため、年中、外で管理できる丈夫な品種。

 

パッキリとしたコントラストが出る品種ではないが、季節で姿を変えるため、目で見て楽しいアガベだ。

Agave potatorum 'Baby teeth'

ポタトラム 吉祥冠からの派生系統?

 

ベビーティースの名の通り、鋸歯が小さく、歯のようにびっしりと並んでいる。吉祥冠との違いはその鋸歯が葉の根元まで続いていること。この違いが、ベビーティースの美しさを引き出している。

 

ポタトラム特有のポットパフォーマンスの高さはさることながら生長は少し遅めである。これはおそらく、吉祥冠と比べて根が軟らかく細いことに由来しているのではないだろうか。一方長く同じ鉢サイズで楽しめる素晴らしい品種でもある。



耐寒性はポタトラムとして管理していれば、問題なく越冬できる。特段、癖のある品種ではないため、好きな方にはお勧めしたい一つである。

錦はさらに美しい。




Agave hybrid (filifera × isthmensis)

フィリフェラとイシスメンシスのF1ハイブリッド

 

非常に育てやすく、鉢でも地植えでもパフォーマンスが良い。

 

フィリフェラ特有のエッジとイシス特有のロゼットが美しい。耐寒性は母方のフィリフェラの特性を引き継いでると思われ、九州での越冬も可能である。大型になる程耐寒性が上がり、2024年は霜と雪の両方に耐えて地植えで越冬した。

 

肥効によりなる葉の色が変わり、ライムグリーンからビリヤードグリーンまで楽しませてくれる。

 

中株以降、ランナーでよく増えるため増やしたい方は早めに鉢増ししていくことをお勧めする。根は硬く太いため多少雑に扱っても植物体に大きな影響はないと思われる。



最大でも60cmと比較的コンパクトなタイプ。他の植物を邪魔しないサイズのため、オージープランツと合わせたロックガーデンや、低木や草花と合わせたイングリッシュガーデンなどとも相性が良く、さまざまなな場面で活躍するアガベだろう。

🌿キナバル山で出会った植物たち:「レカノプテリス」探索記とそのほかの植物たち

🧭旅の目的と最初の発見

最初に確認しておくと今回の旅の目的は、ボルネオ島・キナバル自然公園で食虫植物を観察することでした。ツアー2日目、自然公園内のキナバル植物園で「アリの巣」と言われた構造物を見て、私は直感的に「これはレカノプテリスだ!」と確信。ツアー終了間際、樹上に生きたレカノを発見し、心の中で叫びました。そしてこの子たちが自生する姿をもっと見たいと強く思いました。

🌧️幻想的な環境と気候

雨季のキナバル自然公園は、朝から霧が立ち込め、昼には冷たい雨が降り続く幻想的な雰囲気。気温は23℃、湿度も高く、風が常に吹いていました。

🥾単独トレッキングとルートの記録

翌日、レカノへの興味が高まり、予定を変更して一人で再訪。まずは「BUKIT TUPAI TRAIL」へ。距離は約500mで、大人の足なら30分ほど。終点には次のルートがあり、「MEMPENING TRAIL」へ進みました。記憶では約1km、1時間ほど歩いた後、さらに奥へ1.8kmのコースが続いていましたが、目的の植物は見つからず引き返すことに。

その後、「PANDANUS TRAIL」へ。標高は変わらないものの、急な坂が多く、足元も悪い険しいコース。整備が不十分で、人が一人通れるほどの狭い道もあり、注意しないとジャングルへ転落しかねない緊張感のある道でした。

🌱探索と仮説:レカノは高所を好む?

まずトレッキング中に見つけたのは、バルボフィラムの仲間たち。残念ながら開花期が合わず、花を見ることができませんでしたが、ぎっしりと樹に着生している様子が確認できました。また地面に落下したと思われる枕木にも小さなランが着生していました。

また、ボルネオ島固有のツリフネソウ科のKinabal Balsamも発見しました。湿った土地に生えるこの花はとても小さいながら鮮やかなピンク色でとても魅力的でした。

そして地上に落ちた黒く枯れたレカノの“遺骸”をトレッキング中にいくつか発見しました。生きた個体は樹上を見上げても高すぎて確認できず、3〜4mにはランやアスプレニウムが着生していました。


レカノは別名「アリノスシダ」とも呼ばれ、アリの巣に着生する植物でもあります。そこで今回アリの巣も観察してみたのですが、こちらは確認できるだけで地上5m付近までは樹上にありました。

きたレカノが樹下からほとんど確認できずに、他の植物種が着生していたことから競争者の少ない高所に着生するのでは?という仮説が浮かびました。

☔雨に追われて下山

昼からの雨により13時には下山。自然の厳しさと美しさを同時に味わう旅となりました。今回のトレッキングでは回れていないコースや 同定ができなかった植物たちがたくさんあります。植物の知識を十分に蓄えて次は乾季にゆっくりと植物観察に行きたいと思います。

 

キナバル山で出会った植物たち:ドリナリアの形態変化に注目

前章ではツアー全体の様子を紹介しましたが、思いのほか長くなってしまったため、ここからは植物に焦点を当てて記していきます。ツアー内容で気になる点があれば、ぜひコメントで教えてください。

今回の散策で最初に目に留まったのが「ドリナリア」というシダ植物です。低地の水辺から標高の高いキナバル山まで、広範囲にわたって分布していることが確認できました。

キナバル山の山道に自生していたドリナリア

キナバル山と低地の気候の違い

キナバル山の気候は、一般的な熱帯とは大きく異なります。標高1800m付近では平均気温が23℃前後と涼しく、常に風が吹いていて、雨季には午後から夜にかけてしっかりと雨が降ります。雲がかかることも多く、湿度も高めです。

一方、低地では最高気温が30℃を超える蒸し暑い熱帯環境。雨季には午後から雨が降り、夜には28℃ほどまで気温が下がります。市街地や河川周辺では、ヤシやネムノキ、ヒルギ科の植物によってマングローブが形成されていました。

着生位置と環境の違い

山地では、ドリナリアは主にフタバガキやブナ科の樹木など、サルスベリ以外の植物の3〜5mほどの低い位置に着生しており、日陰に近い環境で育っていました。ちなみにサルスベリは成長とともに幹が剥がれ落ちるため、シダ植物が着生しないそうです(ガイド談)。

一方、低地では地上10m付近まで着生している様子が見られ、ヤシのような日陰ができにくい植物にも着生していました。全体的に、明るく日当たりの良い場所に生育している印象です。

葉の形態の違いと仮説

山地と低地、それぞれに自生するドリナリアの本葉を比較してみると、山地のものの方が葉身の切れ込みが深いように感じました。ドリナリアの葉の切れ込みは「羽状裂(鳥の羽のような切れ込み)」が基本ですが、山地のもの(写真1)は「羽状深裂」に近く、低地のもの(写真2)は「羽状全裂」に近い印象です。

写真1. キナバル山のドリナリア

写真2. クリアス川流域のドリナリア

葉の切れ込みについて詳しく知りたい方は、以下のリンクをご参照ください: 👉

今回は木の下から撮影しただけで、葉をサンプリングして詳細に調べることはできませんでした。そのため断言はできませんが、今回の観察から以下の仮説を立てました:

  • 低地の個体:雨に直接あたりやすく、蒸れやすい環境のため、風通しを良くする目的で葉の切れ込みが深くなった可能性がある。

  • 山地の個体:風通しが良いため、葉面積を広げて光合成効率を高めるために、切れ込みが浅くなった可能性がある。